「ちっ、違う、こんなの僕じゃない……」
本当は、首をフルフルと横に振りたいところだったけど、それをしたらすごく怒られそうだから、鏡の中の宝生に向かって、視線で違うと訴えかけた。
そんな僕に、宝生は得意げな口調で、鏡の中の僕を見つめながら、少し興奮した口調で囁いてくる。
「そう、これは紀之であって、紀之やない。世の男共の欲望を掻き立てるために、この俺が創作した、理想の美少女や」
「でもっ」
こんなの、おかしい。
だって、僕の体が宝生の手に感じて、下半身に血が……。
「この表情が、我慢しきれないっていう表情。どや、自分でも色っぽいって思うやろ?」
「うっ……、はぁっ……」
僕の下半身の状態、まさかバレてる?
もっ、もしかして、着物の上からでもわかってしまうほどに、膨らんでる?
ついつい、確認したくて視線を下に向けようとしたら、宝生に叱責されてしまう。
「アホウ。俺がせっかく演技指導して、ポーズ付けてるのに動くな。まだ一分すら経過してへんやんか」