「ん…ぁああ……っ、」
「中…柔らかくなってきた…」
鼓膜の近くで聞く声音は低く、ベルベットのような上質の艶を帯びている。
ただでさえ腰にくる好い声なのに、そこに確かな欲情が混じると聞いているだけでイきそうになるのが悔しい。
千明は恋人こそいないが決して飢えているわけではない。それなのに数分身体をまさぐられただけで、もう自分の意志が通じないレベルにまで昇り詰めている。前戯でこれなら、挿入されてしまえばどうなるのか…。
淫らな想像の結果は、すぐさま千明の中心部に訪れた。
「ぁ……んっ、」
鈴口の泉を爪の先ですくうようにくじられ、トクッ、と滲んだ白い滴が茎を伝う。
指で秘所を攻め立てている男の熱を早く最奥に感じたくて、千明は目の前の広い肩に両腕で縋りついて懇願した。
「ぁ、もう…早…く…っ、」
「…欲しい?」
甘すぎる響きに押されて何度も首を縦に振る。すると了解の合図のように耳朶を甘噛みされ、首筋にも軽く歯を立てられた。
「ん…っ」
下肢に強い痺れが走って一瞬だけ意識が遠くなる。
耳の周辺から首にかけては千明の弱い部分だ。スイッチが入るように両脚が勝手に開き、男の腰を抱えこむように絡みつく。
「ぁ…早…く…っ、…入れて」
声にならなくて吐息でねだった直後。中を探っていた指が潔く撤退する。
千明は男の腰に預けていた脚をほどいて口早に告げた。
「ゴム…おれの、ジャケットのポケットに……」
