「……僕のことも…殺すの……?」
首を絞められ、殺された人。あの人と同じように、自分も殺される……。
秋梧の指に力がこもった。
脊髄を逆撫でするような戦慄が身体の奥から沸き上がってくる。
それは、恐怖。しかし、純粋な恐怖と呼べないほどには不確かな雑音を孕んでいる。
その何かが、恐怖とは少し違う戦慄を連れてきて、慧はかすかに喘いだ。
「……ぅ……」
それを見て、秋梧は少し驚いたように眉を動かす。
「もしかして……、感じてるのか……?」
秋梧の親指がじわじわと蠢いて喉元を這った。そうされると、また、妙な痺れが身体の芯を揺らし、くぐもった吐息が溢れ……。
「へぇ……。こんなことで感じるんだ……」
知らない。知らない。秋梧の言っていることの意味がわからない。
たまらず首をすくめると、耳を食まれた。ぞくっとするような震えが背筋を走り、慧は小さく悲鳴を上げる。
そんな仕草もおかしくて仕方がないというように、秋梧は声を立てて笑った。
「あなたは……かわいいね……」
耳朶を舌が這う。生温かく湿った感触が輪郭を辿るように蠢く。
「や……」
ただ震えるしかできない慧の頬を、秋梧の冷たい掌が包んだ。
「殺さないよ。慧」
