書架の佳人

書架の佳人
猫島瞳子/著
周防佑未/イラスト

俺にとって七年ぶりの高ぶりなんですけど

窓際部署に故あって在籍している遠野の下に、異動してきた黒田は一見デキる男なのにぼけぼけの天然だった。

[crown]ジャンル[crown]
年下攻め/リーマン/会社員

[crown]ちょっと立ち読み[crown]
「あの日、学内で噂の白雪の君、遠野先輩に叱責されてから、俺は誰にも体も心も反応しなくなったんですよ」
「はっ、反応って……」
 そんなこと言いながら、なんか密着した黒田の体からは、発情した雄の匂いがしてるような気がするんやけど? あと、黒田の股間に硬いモノが存在してる気がするんやけど、僕の勘違い?
 ズボンのポケットに、硬いモノ入れてるだけ?
「たぶん、先輩の美貌に一目惚れしてしまったんでしょうね。あれ以降、俺は必死で先輩に近づこうとしてたんですよ。似合わないのに、図書委員にまでなって」
「……記憶にない」
 高校時代の僕は、次々と本を読むことに夢中で、誰かに興味を向けることなんてなくて。
 本以外に目を向けた唯一が、愛猫ブランシェやった。
 卒業間際に何人からか告白されてたけど、全員に対してサクッとお断りしてて……。
 そやかて、僕が通ってたのは男子校で、僕はノーマルな性癖で。
「でしょうね。俺みたいな奴が、あの時期の先輩の周囲には数え切れないほどいて。近づこうとしても、先輩の同学年の奴らにことごとく邪魔されて」
「そんな話、知らん!」
 なんで、僕が知らない話を、この後輩は知ってる?
「本人に気づかれなくても、周囲は必死だったようですよ?」
「よっ、余計なお世話や」
 誰も、そんなこと頼んでない。
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